世界を繋げる自転車便という職業 ~ 国を超えて集う労働者たちの宴 -デンマーク編 ~ by Kosuke Aoki

2017.02.03 - TOPICS
Kosuke Aoki
© Kosuke Aoki

LOOP MAGAZINEでも活躍しているリアルメッセンジャー フォトグラファーのKosuke Aoki。彼が昨年、メッセンジャーが主催する世界大会を周り撮らえたリアルでディープな自転車の世界を、RED BULLのウェブサイトにて連載スタートしています。

今回はLOOP WEBでも少しご紹介。 コアな自転車好きには堪らないリアルな旅記になっているので、ぜひチェックしてみてください!


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2001年に発表された、ニューヨークのメッセンジャー(自転車便)達を撮ったドキュメンタリー映像「Pedal」。

ただの運送業という説明では収まりのつかない、彼らの生き方や、そこから織りなされるカルチャーに少なからずの共感を覚えた。そして、東京でも同じ職業がある、自分でもできると知った時の興奮は、昨日の事のように覚えている。
気がつけばメッセンジャーを生業にしながら写真を撮り始めて、今年で10年になる。

20年以上も前から世界中でお互いに連絡を取り合い、毎年開催国を決めてデリバリーレースやパーティーを続けているメッセンジャーたちは、インターネットやスマートフォンが普及した近年さらに絆を増していった。

そして、僕もその恩恵にあずかり、世界各国のメッセンジャー仲間達と日々コミュニケーションをとり合い「SLOW SQUAD」というクルーを作った。そんなクルー達との再会を約束して、昨年は北欧大会から世界大会、北米大会とメッセンジャーが開催する3大会をクルーで回った。格安往復チケットと少しのお小遣い、後は海を越えたお友達の家での”お泊まり会”にその身を委ねたのだ。

個性的なスタイルをもつメッセンジャーたちは、それぞれ必ずといっていいほど興味深いバックグラウンドをもっている。そんな彼らとの親交を深める日々は、まるで瞬きをする度にAMとPMが変わるかのように刺激に満ちたものだった。


“世界一幸せな国”デンマークでの北欧大会

Kosuke Aoki
© Kosuke Aoki

メッセンジャーは毎年、立候補を掲げた都市から投票で開催都市を決め大会を行う。大きな大会はCMWC(サイクルメッセンジャーワールドチャンピオンシップ)、NACCC(ノースアメリカサイクルクーリエチャンピオンシップ)、そして今回はデンマークの首都、コペンハーゲンにて開催されたECMC(ヨーロッパサイクルメッセンジャーチャンピオンシップ)だ。

通常のメッセンジャー業務を想定し、より効率よく、多くの荷物を届けることができるかを競うデリバリーレースをメインに、街中でチェックポイントを決めてスピードを競うアーレイキャット、固定ギアであるピストバイクの使った競技やスプリントレースなど、様々な競技で世界中のメッセンジャーが競い合う。
日常で鍛えられた経験がものをいうハイレベルな大会だが、その結果以上に皆が一番価値を見出すものがある。

それは、見知らぬ土地でライフスタイルとしてメッセンジャーをする同志達との絆だ。国際交流の中で新たな仲間と出会い、共に旅をし、再会を誓い自国での仕事のモチベーションにする。
そういった感覚でお互いが尊重し合い、よい旅であったと思えるように自然と心がけているので、大会は終始ピースフルだ。
なによりもお祭り気質のメッセンジャー達は、競技以上に開催都市での連日連夜のパーティーを楽しんでいるのだから、いい思い出にならないわけがない。
競技中にメッセンジャーが流す大量の汗は全てビール。これが世界のメッセンジャーたちで毎年行われる祭典であり、狂乱の宴である。
今回の北欧大会は、その2週間後に開催される世界大会が、近くのパリで行われるということもあり、僕を含め様々な国からメッセンジャーが参加した。


Kosuke Aoki
© Kosuke Aoki
Kosuke Aoki
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幸福度世界一位の国デンマークに到着し街を散策。僕はふと思いつき、街で出会った人達との会話に織り交ぜるように、幸せなのか聞いてみる”調査”をしてみた。
その土地に住んでいる彼らにとってはそれが当たり前であり、野暮な質問ではあるのは分かっているが、シャレのつもりで「YO。幸せかい?」なんて、勝手にアンケートをとっていると、「まあ、幸せかなぁ」なんてアンサーがゆったりと返ってくる。
数日間の滞在で感じたのは、皆自分の時間を大切にしていて、マイペースで心に余裕があるということだった。
道を探してキョロキョロしていると、必ず誰かが「大丈夫?」と助けてくれたのが印象的で、自然と助け合いができている事が嬉しかった。

デンマークという国は税金の高さから物価は高いが、教育、医療、介護の無償化など生活の基盤となるものをしっかり国が作り上げている。
そんな住みやすいこの国の首都コペンハーゲンのほぼ中心に位置する、平和の象徴のような自治区、クリスチャニアを訪れた。



続きはRED BULLのウェブサイトにてCheck!
www.redbull.com
“国境を超えて集う労働者たちの宴”


Kosuke Aoki
ニューヨークでミクストメディアアート、ノイズバンドの活動を経て、帰国後2007年より東京にてメッセンジャーとなる。同時の東京のメッセンジャーシーンをはじめ、様々なアンダーグラウンドカルチャーの撮影を開始し、フォトグラファーとしてのキャリアをスタート。現在は活動の幅を広げ、世界各地のメッセンジャーやそれにリンクするカルチャーの取材を精力的に続けている。

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