第二回TCDS卒業制作展LOOP MAGAZINEが選んだ注目のビルダーインタビュー!

007

日本初の自転車専門学校として2012年に発足した「東京サイクルデザイン専門学校(TCDS)」。自転車クリエーションコース(3年制) の第2期の卒業展が青山スパイラルにて開催されました。

日本初の自転車教育に分野をしぼった専修学校として注目を集めるTCDSではこれまでは存在しなかった総合的な“自転車学”が学べます。ハンドメイド自転車「CHERUBIM」を展開する今野真一氏をはじめ、一流の講師陣が魅力あふれる授業を展開しており、3年間のカルキュラムを終えた学生が作る独創性に溢れたオリジナル自転車はデザイン性に優れているだけでなく実用性も備えています。
今回はLOOP MAGAZINEが選んだ注目のビルダー(卒業生)のインタビューを紹介します!

048

S-CART / 婦人用自転車

・まず自己紹介をお願いします。
横溝志郎 46歳
以前はWEBデザイン制作会社で15年以上マネジメント業務をしておりましたが、フレームビルディングという魔力に見せられてしまい、会社を辞めて学校へ。
それから自転車の事と子供達の夕食の献立を考えるのが日課になりました。

・あなたがこの学校に入った理由を教えて下さい。
ビルダーって若者が職人の下で何年も修行を積んでなる別世界と思っていましたが(実際そうなんですが)なんと学校で自転車作りが学べるという事を知り後先を考えずに…

・どんなスタイルの自転車が好きですか?特に興味のある自転車のカルチャーはなんでしょうか?
ラーレーやガゼルといったブランドのロードスター型自転車が個人的には好きです。
デンマークやオランダに見られる生活に使われる自転車の文化など興味あります。

・この学校にいた3年間であなたはどんなことを習得しましたか?何を学べましたか?
自分のアイデアを先生方や他の生徒の理解を得ながら具体的に形にしていくというプロセスの部分がもっとも勉強になったかもしれません。

・今回の作品のコンセプトや思い入れ、製作秘話などがあったら教えて下さい。
乗り手の女性をいかに美しく見せるかだけに特化したコンセプト自転車です。
前面から乗り手を見たときにさえぎるものが何もない、またぎやすい車高、女性が美しい垂直な姿勢となるポジションの設定などが特徴です。
製作秘話ではありませんが、学校の別のコースの女子に自転車のモデルになってもらった時「ちょっと自転車にまたがって」とお願いしたら、その子は前後逆にまたがって「これでいいでしょうか?」って(笑)
確かにハンドルは普通自分の前にあるものですが、これには苦笑いでした。

・卒業後はどのように生きていきますか?
残念ながらまだ就職先は決まっていませんので、オファーがあれば是非(笑)
職業にするかは別に自転車は引き続き作り続けて行きたいので、仕事と制作が両立できる道を目標をあせらずに探して行こうと思います。

053

1930 / every day bike

・まず自己紹介をお願いします。
鈴木隆太郎です。
埼玉県出身の21歳で今はblue lugで働いています。

・あなたがこの学校に入った理由を教えて下さい。
私の姉がヒコ水野ジュエリーカレッジの学生で最初は靴が好きだったのでシューズ学科に入ろうとしていたのですが、ちょうど自転車に興味を持ち始めた頃に東京サイクルデザインが出来て入学を決めました。

・どんなスタイルの自転車が好きですか?特に興味のある自転車のカルチャーはなんでしょうか?
好きな自転車はピストバイク、bmxですね。
最近は緩いハンドルを付けた街乗りの自転車とかが好きです。

・この学校にいた3年間であなたはどんなことを習得しましたか?何を学べましたか?
この学校に入って自転車の基礎から応用までを教えて頂き、他では出来ないビルディングまで習得することができました。

・今回の作品のコンセプトや思い入れ、製作秘話などがあったら教えて下さい。
卒業制作は昔の人も今の人もカッコいいと思ってもらえる自転車、というコンセプトを基にフレームの形はシンプルにパーツは現代の物を使うことでコンセプト通りに作れたと思っています。

・卒業後はどのように生きていきますか?
卒業後は学校で学んだことを生かして仕事をして行きたいです!

064

執鋭 シツエイ / シングルスピード

・まず自己紹介をお願いします。
勝又 雅

・あなたがこの学校に入った理由を教えて下さい。
きっかけは二輪繋がりでした。
高校生の時は中型バイクに乗っていて友達とのんびりツーリングすることが好きでした。
ですがこの学校のことを知り、自分で作ったオンリーワンのフレームで組みのんびりサイクリングがいしたいなと思いこの学校に入学を決めました。
自転車で走った方が目的地に到着した時の喜びは大きいですね。

・どんなスタイルの自転車が好きですか?特に興味のある自転車のカルチャーはなんでしょうか?
特にないです。

・この学校にいた3年間であなたはどんなことを習得しましたか?何を学べましたか?
メンテナンスはもちろんですが、一番はビルディングの授業で多くしれました。パイプの加工やジオメトリーの違いで全く乗り心地や固さがが変わりハンドメイドの楽しさを知れました。

・今回の作品のコンセプトや思い入れ、製作秘話などがあったら教えて下さい。
コンセプトはオートバイクのカフェレーサーをベースに考えました。特徴は、フレームの下部の三角をエキゾーストパイプに見立てたり、‎シートチューブを目立たせたかったのでシートステーをヘッドチューブまでもってきたりさせました。
そして最後はセパレートハンドル風ハンドルですね、見た目は気にっています。
制作秘話は、本当はトップチューブがホリゾンタルになるつもりだったのですが、訳あって逆スローピングになりました。
結果良い感じになったので気にしてません。

・卒業後はどのように生きていきますか?
海外にとても興味があるので海外で働きたいですね。
オーストラリアとか暖かくていいですよね。

036

ぱてもり / ロードバイク

・まず自己紹介をお願いします。
片桐遼です。

・あなたがこの学校に入った理由を教えて下さい。
元々乗り物が好きで、何か直接乗り物に触れられる職業に着きたいと考えていました。
その中でも、自転車に興味があったところでこの学校の事を知り、入学を決めました。

・どんなスタイルの自転車が好きですか?特に興味のある自転車のカルチャーはなんでしょうか?
ストリート系のMTBが好きです。カルチャーと言うと難しいですが、やはりストリート系のバイクに興味があります。

・この学校にいた3年間であなたはどんなことを習得しましたか?何を学べましたか?
メンテナンスの基礎からフレームの設計まで基礎を知ることができました。
特にフレームの制作はほとんど何も知識が無かったので、興味深いことが多く、とても面白かったです。

・今回の作品のコンセプトや思い入れ、製作秘話などがあったら教えて下さい。
今回の作品はビンテージパーツを使って速く走れるロードバイクを作りたいというところから始まりました。
制作の際は塗装が大変でした。
特にラップ塗装は初めてやったので難しかったです。

・卒業後はどのように生きていきますか?
とりあえずまずは自転車のメンテナンス技術をしっかり磨いていきたいと思っています。

038

PAPACHAM / 子供乗せ自転車

・まず自己紹介をお願いします。
東京サイクルデザイン専門学校3年コースを今年卒業する韓国人留学生「金 榮完」です。

・あなたがこの学校に入った理由を教えて下さい。
自転車の作り方を学べる学校が日本でできたということを聞いて、面白そうだったので入学しました。

・どんなスタイルの自転車が好きですか?特に興味のある自転車のカルチャーはなんでしょうか?
2008年からピストに乗っていましたし、自分でピストのサークルを作って韓国でいろんな活動もしました。
シンプルな見た目や、固定ギアーの乗り心地が好きですので、ピストとピストに関するサブカルチャーに興味を持っています。

・この学校にいた3年間であなたはどんなことを習得しましたか?何を学べましたか?
自転車のメンテナンスはもちろん、自転車を企画・設計して自分でロウ付けしてフレームを作りました。
ただ見た目がかっこいい自転車ではなく、その自転車がそんな形をしている理由が大事だということを学びました。

・今回の作品のコンセプトや思い入れ、製作秘話などがあったら教えて下さい。
実は今回の作品は2歳の姪のため子供用の自転車を先に作りました。
子供用の自転車を作った後、姪が住んでいる周りの環境を考えてみましたが、あまり子供が自転車に乗って安全に遊べる場所ではないと思いました。
それで、子供と子供の自転車をのせる自転車を作って、公園などの安全な場所に移動して子供とお父さんが自転車を楽しんだらどうかなと思ってこのような形の自転車を作りました。

・卒業後はどのように生きていきますか?
韓国の自転車メーカで自転車の企画・設計の仕事をします。
学校で学んだロウ付技術で自分でフレームを作る機会はないと思いますが、自分で企画・設計した自転車が大量生産されて、大銭の人がその自転車に乗ることを想像すると、これからの会社生活が楽しみです。

2016.03.23
LOOP WEB MAGAZINE ONLINE STORE